目次
ざっくり要約
「顧客と従業員の育成をゲーム化すれば、長期的な関係性を築けて、結果としてビジネスも上手いくでしょ?」という王道な一冊。キーワード3つ。
- 顧客ロイヤルティ
- 従業員ロイヤリティ
- おもてなし
顧客の成功を企業活動のど真ん中におく「カスタマーサクセス」に近い考え方。
カスタマーサクセス+ゲーム化みたいな内容。ゲーム化がハマれば差別化の要因そのものになる。
売上げを「顧客数 × 顧客単価」で考えると2次元。「顧客数 × 顧客単価 × LTV(継続期間)」で考えると3次元。
顧客ロイヤリティの獲得を目指して、ビジネスを3次元で考えることが大切。
リピーターを増やすために、ユーザの利用目的に適したゲームの要素を取り入れる。
ゲーミフィケーションと可視化・目標
なにを可視化するか、なにを可視化しないのかをまず考える。
可視化した目標・数値と、ユーザの利用目的との整合性もチェック。
可視化のポイント
- 数値として表現できるものを選び記録する
- なにを可視化するか、正しく選択する
- ビジュアルにして変化や比較を視覚的にする
SQI (Service Quality Indicator) などの科学的なアプローチを参考にする。
RPG ゲームでは次のレベルまでの経験値が表示されている。
無駄に数値化するとプレイヤーのフォーカスがブレて失敗する。
ゲーミフィケーションとオンボーディング
説明書やヘルプを読まなくても手順がわかるようにするのがオンボーディング。
ルールや遊び方を簡潔に伝える。
興味をもってくれたユーザが定着できないとゲーム化は難しい。
初めてのユーザや顧客がうまくサービスに適応してくれることに注力する。
フリーミアムから入るのもアリ。
ダン・アリエリーの予想通りに不合理
無料になると27% から 69% まで購買力が高まる。無料であるかどうかで、試してみようというハードルが3倍下がる。
→ 無料であることが顧客のオンボーディングにつながる。
継続して使ってもらえるかは最初の5分で勝負は決まる
なる早で価値があるサービスだとユーザに知ってもらう。
無意味なルートは削り、ユーザーが慣れるまではわき道を作らずに一本道でレクチャーする。
ゲーミフィケーションと上級者向けチューニング
ハーレーダビッドソンの世界観。ハーレーの世界観が好きで、そこに浸ることで心地よさを感じるから、「しるし」としてグッズなどが欲しくなる。
ハーレーは位置ゲーのような要素で、ユーザーのエンゲージメントを高めている。
セブンイレブンのABC 分析。売上げ順に、商品を3種類に分類して、A群の商品を重点的に扱う。
お客さんの心理を掘り下げないABC 分析はうまくいかない。
売れた時間と残った在庫から時間軸で分析して売れ筋を予測し、お客さんの心理を読み取って初めて生きた数字になる。
SNSやICTの発達でデータを活用できる機会が増える。リアルな現実をゲーム化できるようになる。
顧客との関係性の良好さ・エンゲージメントなどのKPI を追いながらチューニングする。
上級者は初心者・中級者のあこがれのロールモデルになる。
上級者向けのゲーム要素
- より高い目標
- チーム戦
- 自己表現
- サブストーリー、ステージ拡張
ゲーミフィケーションとゴール
ユーザに飽きられないようにゴールを共有・設定して動かす。
ダニエル・ピンクのモチベーション3.0
- 目的
- 自立性
- マスタリー(熟達)
自立性があることで自己効力感(有能感、達成感)が生まれる。
社員のロイヤリティがないと、顧客のロイヤリティも構築できない。
従業員ロイヤリティが高い=顧客ロイヤリティが高い
デズニーのファイブスタープログラムなど、従業員制度もゲーム化してロイヤリティを高める。
ゲーミフィケーションとおもてなし
ゲームニクス理論。日本のゲームはプレイヤーの気持ちを先回りして、さりげなくサポートする。
ゲーム化を追求することでおもてなしにつながる。
お客さんとの長期的な関係性を前提にする。
- 一人のお客さんのことを考えて、事前に準備をする
- お客さんのことを知る努力
- 臨機応変に対応を変える
まとめ
新規顧客の獲得は既存客の約5倍のコストがかかる。
会社の命運を握るのはリピートしてくれるロイヤルカスタマーなので、顧客をどうやって育成するかがビジネスの本質。
ロイヤルカスタマーを育成する基盤は、従業員・スタッフのロイヤリティで、突き詰めると「おもてなし」になる。
「そこをゲーム化できたら良いことだらけじゃない?」という結論なので、こっそりと試していきたい。
ブレークスルーに苦戦したスタートアップとかの事例をもとに、もう少し突っ込んだケーススタディーがあったらよかった。
ゲーミフィケーションにおける可視化の成功・失敗事例をもっと詳しく知りたい。