OODA LOOP ウーダループ。過剰管理やめて相互信頼で競争力をつける本レビュー

海兵隊の皆さん

ざっくり要約すると?

アンチ・マイクロマネジメント本。
・奇の機動
・相互信頼
・焦点と方向性
あたりがキーワード。軍事戦略とトヨタ生産方式(TPS) などが出てくる。

指示待ちの組織は臨機応変に対応できないから、日ごろから OODA をループさせて現場の意思決定力を上げておかないとカオスに呑まれて競争に負けちゃうよ、という趣旨。
競争戦略・コンフリクト戦略は、組織の相互信頼がベース。相互信頼をつくれないと無駄が多くなって内向きの組織になり、外部環境の変化に対応できなくなり、緩やかに死んじゃうらしい。

OODA (ウーダ) ループ。PDCA との違い

OODA (ウーダ) ループ は意思決定と行動の改善理論で、ある種の PDCA 上位モデル。米国だと海兵隊とか大企業でも取り入れられてるらしい。
元米空軍パイロットのジョン・ボイドが提唱。現役時代は航空機の接近戦・ドックファイトが得意で「40秒のボイド」との異名を持ち、引退後は戦闘機の最適戦術を数学的にモデル化してできたのが OODA。

ボイドは戦略マニアで、孫氏・宮本武蔵の話がよく出てくる。「戦う前に勝負ってほぼ決まるよね?」という考え方でり、先手を打って心理戦で相手を惑わすこと、カオスを発生させて相手の心を打つ形成を自らつくる大切さが、かなりのボリュームで書かれてる。第二次世界大戦の電撃戦などの事例が紹介されてて「敵に先んじる1分こそが優位性」「カオスに対処してカオスを利用する」「スピードで先手をとりカオスを利用して相手を無効化」みたいな内容で、意図せずとも戦争論に詳しくなる。

PDCA サイクルみたいに「観察・みる(Observe)・情勢判断・わかる(Orient)・意思決定・きめる(Decide)・行動・うごく(Act)」を繰り返して意思決定を改善する手段。
PDCA はプロセスの改善を重視するので内向きになりやすいのに対して、OODA は環境適合を重視するので組織の外に目が向きやすい。
本書だと OODA ループの一つが PDCA という立ち位置で説明されてる。

奇の機動。正は品質勝負、奇で差別化する

孫氏「正を以て合い、奇を以って勝つ (正攻法で負けない状況をつくり、相手がビックリする策で勝つ)」にもある「奇の機動」も良く出てくる。
ただ、この本の最大の「奇」は OODA の説明が全然でてこないことw レイザーラモン RG のあるある言いたいネタが頭をよぎった。

戦争はしないので「ウーダあるある知りたいな~」とおもっていると、トヨタ生産方式のTPS の話から経営戦略における OODA の話がでてくる。

経営戦略ですべきこと

  1. ポジション環境を意識しつつ、顧客に焦点をあて続ける
  2. チームに複数のオプションを提示する
  3. 複数のオプションの切り替えを迅速にできるようにする
  4. チームが自発的に行動するよう促す
  5. ビジョン実現のために努力を調整する

顧客の要求を吸い上げたとしても、それは正の機動。顧客がビックリするアメージング「奇の機動」が魅力的品質につながり戦略をつくる。
奇の機動で市場を形成して、競争相手を圧倒するのが OODA 経営戦略の基本で、マネージメントの焦点もそこに合わせる。

競争力の源泉が相互信頼。焦点と方向性

マネージメントすべきは焦点と方向性。無駄に干渉しないことで競争優位性につなげる。実際にはこれがすごい難しい。
相互信頼の最大の敵はマイクロマネジメント。過剰管理は抵抗につながり、やがて反抗になる。

いまのベストよりもベターに OODA で改善し続ける。組織カルチャーを強化して、不要な機能を省きシンプルにするべき。複数の焦点は持てないと考えること。これを自覚して焦点を柔軟に変更する機動力が大きな武器になる。

OODA により品質を磨きサイクルタイムを短縮化させる。この繰り返しが魅力的品質は全て顧客に影響を及ぼす。顧客が期待してないことが奇になる。奇を競争に持ち込んでブルーオーシャンあざっすの状況をつくる。

OODA は望ましい市場を形成するための戦略でもある。組織文化を活かして市場の形成に焦点を当て続ける。ビジネスは競争。完璧である必要はない。相手よりも相対的に優れていたら十分。

時間を焦点化させた企業文化を重視する。このへんの企業文化に合わないスタッフに辞めてもらうのも必要。そこは厳しく。
トップは何でもわかっていると過信しちゃうけど、現場についての情報も能力もない。うっかり現場介入してもカオスになるだけ。

まとめ

ボリュームのある本なので途中ダレるけど、全体を総括すると良書だった。

マイクロマネジメントはトップの自信のなさの裏返しでもあるので、過剰管理にならないように自らを戒めてみる。
目的と方向性を示して自発的行動を引き出せるまで OODA ループを繰り返さないとダメっぽい。経営の醍醐味そのものかもしれない。