タイではASEAN統合が盛り上がってます。テレビのニュースだけじゃなくて、お客様との打合せでもよく話題になります。タイ自体の景気がイマイチなので、ASEAN 統合の話題で盛り上がりましょう!という感じです。なので、アセアン統合の雰囲気をまとめました。
ASEAN アセアンとは
アセアンという組織はベトナム戦争の影響で1967年に設立されたものです。東南アジアの共産化を恐れたアメリカが、タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポールで資本主義を浸透させようと組織したものです。ちなみにタイは周辺国の事情もあり、西欧諸国と赤化の影響をよく受ける国です。
アセアンが東南アジア諸国連合とか言われるのは Association of South‐East Asian Nations が正式名称だから。ブルネイ(1984年)、ベトナム(1995年)、ラオス(1997年)、ミャンマー(1997年)、カンボジア(1999年)が加盟していまの10か国となり、ASEAN は地域の安定に貢献していきます。
ASEAN 経済統合の狙い
アセアンの総人口は6.4億人で名目GDP 2.1兆ドルです。EU(27か国)は5.3億人で名目GDP 16兆ドル、米国は3.1億人で名目GDP16兆ドルとかです。ちなみに日本は1.2億人で名目GDP 4.9兆ドル。ASEAN 経済統合で誕生するAEC(ASEAN 経済共同体)は、国際社会でも競争力のある経済圏です。
ASEAN 経済統合は2015年末までに物・人・サービスの流れを自由化する計画が軸ですが、「成長著しい6億人のマーケット」をアピールすることでヨーロッパ・米国・中国・日本・イスラム圏などの世界中の企業から投資を誘致するのが狙いだったりします。タイには1977年からBOI という投資奨励の政策があり、外国企業の誘致に成功しています。
ASEAN 経済統合の進捗
ASEAN の関税については、1991年 タイ・アナン首相の提唱、1992年シンガポール宣言により創設されたAFTA により、ほぼすべての品目において関税撤廃率99% が達成されてます。人の流れについては既に観光ビザが廃止済で、今後は職業資格を相互承認して、看護師などがどの国でも働けるようにしようとしてます。
投資については、ACIA(ASEAN 包括的投資協定)が発行されており、地域内における包括的な企業への投資が可能になる体制づくりが行われてます。サービス分野での進展はイマイチですが、タイの最大のショッピングモールを運営するセントラルグループなどは積極的にASEAN 諸国に進出する計画もあるようです。
タイにおけるASEAN 経済統合
タイの人はアセアン統合により、バンコクがASEAN 経済圏のハブになると期待しています。中国との地理的な位置関係や、ベトナム・ホーチミン、カンボジア・プノンペン、タイ・バンコクを結ぶ高速道路の計画があったり、バンコクとミャンマー・ダウェイの陸路を整理する計画があるので、陸路でのハブになれる可能性があるからです。また、ASEAN 随一の観光大国である、投資インフラが整っているので人とお金が集まるという考え方が主流です。
ただ、ASEAN 諸国の人材・企業との競争も激化するので、業種によってはタイの中小企業はかなり苦戦すると個人的にはおもってます。競争の環境がフラットになることが、グローバル化の本質なので、タイの企業には切磋琢磨して国際的な競争力をつけてもらいたいですが。がんばろうタイ